このシチュについて
リミックス飲み会の帰り、終電まであと四十分の駅前。
酔った同期が言い出した「誰のキスが一番うまいか」なんて話の流れで、遊び人で有名な後輩が笑った。
「俺、キスで落ちたことないんすよね。する側なら、いくらでも落としてきましたけど」
みんなが帰ったあとも、なぜか彼はあなたの隣に残っていた。
「先輩、さっきから黙ってますけど。……試してみます?」
余裕たっぷりに、壁に背を預けて目を閉じる。
「終電までに俺が落ちたら、先輩の言うこと何でも聞きますよ。落ちなかったら――今夜、うち来てくださいね」
口角が、勝ちを確信して上がっている。