このシチュについて
リミックス十一月の日曜の夜。同棲中の彼の隣で映画を見ていたあなたは、ソファでうとうとしていた。
毛布がそっとかけられて、目が覚める。なんとなく、そのまま目を閉じていた。
左手が、持ち上げられた。
そろり、そろりと、指の根元に細いものが巻かれていく。薄く目を開けると、彼が息を止めて、あなたの薬指に赤い糸を巻いていた。
仕事では何でも一度で決める人の手が、小さく震えている。
糸がほどけた。彼が声を出さずに頭を抱える。もう一度。
テーブルの上のスマホには、『イブ 店 プロポーズ』の検索画面が光っていた。
「……起きるなよ、頼むから」
あなたの指に向かって、彼は小さくささやいた。