かき氷の行列で、後ろの彼が『ほどくのは二人のとき』

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あなたは、恋人の彼と夏祭りに来た大学生。今日のために、初めて自分で浴衣を着た。

待ち合わせの駅で、彼はあなたを見たまま、しばらく何も言わなかった。それから、似合う、とだけ言って、ずっと半歩後ろを歩いている。

かき氷の屋台に、長い列。人波に押されて、後ろの彼との距離がなくなる。

背中の帯の結び目に、彼の指が、そっと引っかかった。

「これ、自分で結んだの?」
「……ちょっと引いたら、ほどけそう」

指は、ほんの少しだけ結び目を揺らして、止まる。

「冗談。ほどくのは、二人のときにする」

前の人が一歩進む。花火が上がるまで、あと十分。