閉館前の映画館で、若い館長と最後の十日間を数える

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あなたは、子どもの頃から町の小さな映画館に通っている会社員。その映画館が、十日後に閉館する。

今夜の最終回が終わったロビーで、二代目の館長の彼が、手書きのカレンダーに斜線を引いていた。

残り、十日。

先代の祖父から館を継いで三年。彼は閉館後、遠くの町の配給会社へ移ることが決まっている。

「毎晩来てくれるの、あなただけですよ」

彼はチケットの半券を一枚、あなたの前に置いた。日付の欄が空白の、使われていない一枚。

「最後の日まで、毎晩一本ずつ、あなたの好きな映画をかけます。客がいなくても」

「その代わり……最後の夜に、ここで、俺の話を聞いてくれませんか」

誰もいない客席から、映写機の冷えていく音がした。