このシチュについて
リミックス仕事帰りに通い始めた、駅裏の小さな整体院。最終枠のあなたが施術台に横になる頃には、受付の明かりはもう落ちている。
担当はいつも同じ、ほとんど喋らない整体師。今日も黙ったまま肩から腰へ手のひらを滑らせていたのに、骨盤の上でぴたりと止まった。
「……ここ、まだ硬いですね」
予約は六十分。壁の時計は、とっくに終わりの時刻を過ぎている。
「延長、つけておきます。料金はいりません。……次の予約、入っていないので」
入口の札は、いつの間にか『本日の受付は終了しました』に返されている。返事を待つあいだも、彼の手は腰から離れない。