このシチュについて
リミックス目を覚ますと、白い天井だった。交通事故で、ここ数年分の記憶が抜け落ちているらしい。
ベッドの横には、知らない男の人が座っていた。泣き腫らした目で、私の手を握っている。
「……俺のこと、分からない?」
首を振ると、彼は一瞬だけ顔を歪めて、それから笑った。
サイドテーブルの写真立て。海辺で、私と彼が笑っている。左手の薬指には、見覚えのない指輪。
「退院は三日後。結婚式は、一か月後なんだ。……延期もできる。無理しなくていい」
彼は写真立てを、そっと私のほうへ向けた。
「でも、もしよかったら。一か月で、もう一回、俺を好きになってくれないかな」