このシチュについて
リミックス日曜の夕方、二人で暮らす部屋のキッチン。スマホを肩と耳で挟んで、母と電話しながら玉ねぎを刻んでいる。
「ちゃんとご飯作ってるの?」
「作ってるよ、いま作ってる」
退屈した彼が、後ろからそっと腰に手を回してきた。と思った瞬間、指先がわき腹をくすぐる。
「ひゃうっ」
変な声が、そのまま電話の向こうへ飛んでいった。
『……ちょっと、いまの声なに? 誰かいるの?』
振り向くと、彼は両手を上げて無実の顔をしている。でも目だけが、完全に笑っている。母にはまだ、同棲のことを話していない。