このシチュについて
リミックス付き合って一年。彼はクールで口数が少なく、「好き」なんてめったに言わない。
休日の朝、目を覚ますと、隣の彼がいつものそっけない声で言った。
「……おはよ」
(寝癖かわいい。今日一日、どこにも行かないでほしい)
――今の、何?
口は閉じたままなのに、彼の声がもう一つ聞こえる。朝ごはんを作ってくれる背中から(味、大丈夫かな。褒めてほしい)。目が合えば顔をそらすのに(今日もかわいい。無理)。
彼は、聞こえていることに気づいていない。
聞こえるのは、きっと今日一日だけ。黙って楽しむか、からかうか、それとも本当の言葉で言わせるか。