このシチュについて
リミックス国中の会社が次々に潰れた年。
高校のフェンシング部は廃部になり、あなたは夢をあきらめきれず、強豪校へ無理やり転校した。
毎朝、あなたの家の前を通る新聞配達の青年がいる。社長の息子だった彼の家は、去年、一夜で全部を失った。
夜明け前、朝練へ向かうトンネル。自転車を押す彼と、並んで歩く。
「俺さ、自分のために何か欲しがるの、もうやめようと思って」
彼が笑った、そのとき。天井の隙間から朝日が差し込み、水たまりの上に小さな虹がかかった。
「……でも、これだけは。お前の試合、見に行っていい?」