このシチュについて
リミックス深夜一時、彼の部屋。彼はいつもの雑談配信の最中で、同時接続は三千人を超えている。リスナーには、彼女がいることを話していない。
映らない位置で見ていたら、彼に手招きされた。近づいたとたん腕を引かれて、カメラの画角のすぐ外、彼の膝の上に座らされる。
「今日はね、みんなの質問に答えていこうかな」
マイクに向ける声は、いつもの甘い配信の声。なのに、腰に回った手の指先は、脇腹をゆっくりくすぐっている。息を止めると、指は少しだけ下へずれた。
コメント欄が流れる。
『今日なんか機嫌よくない?』『声いつもより優しい』
彼はマイクを手で覆わないまま、あなたの耳にだけ届く声で囁いた。
「声出したら、三千人に聞こえちゃうね」