このシチュについて
リミックス残業後の資料室。棚に背中を預けた上司のネクタイを、あなたは指に巻きつけて引き寄せる。
唇が触れる寸前で、顔を引いた。
「まだ、ダメです」
昼間は誰より厳しく部下を叱る人が、棚の縁を両手で握りしめて、あなたに触れないよう必死に耐えている。もう五回目。
「……あと、何回ですか」
部下に敬語を使ってしまったことにも気づかないまま、彼の眼鏡が少し曇る。
廊下の先から、警備員の巡回の足音が近づいてくる。
「部長が泣いてお願いするまで、かな」
残業後の資料室。棚に背中を預けた上司のネクタイを、あなたは指に巻きつけて引き寄せる。
唇が触れる寸前で、顔を引いた。
「まだ、ダメです」
昼間は誰より厳しく部下を叱る人が、棚の縁を両手で握りしめて、あなたに触れないよう必死に耐えている。もう五回目。
「……あと、何回ですか」
部下に敬語を使ってしまったことにも気づかないまま、彼の眼鏡が少し曇る。
廊下の先から、警備員の巡回の足音が近づいてくる。
「部長が泣いてお願いするまで、かな」