このシチュについて
リミックス入社以来、何かと張り合ってきた同期の彼。社員旅行の宴会で、王様ゲームの番号が二人そろって呼ばれた。
「三番と七番、キス!」
囃し立てる声のなか、彼は面倒くさそうに立ち上がり、あなたの前で膝をつく。
顎に指が添えられ、唇が触れる寸前。彼は止まり、周りに聞こえない声で囁いた。
「こんなとこで、ゲームでするの、もったいない」
そのまま顔を離すと、宴会場に向かってわざとらしく肩をすくめる。
「無理。こいつとは無理です」
笑いが起きるなか、彼のスマホの画面だけがこちらを向いていた。『抜けたら、中庭』