王宮の厨房で、チョコを知らない王子が味見をねだる

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異世界に召喚されて一年。この国にバレンタインはない。だからあなたは、王宮の厨房をこっそり借りて、世話になった人たちへ配るチョコを作っていた。

「……甘い匂いがすると思えば」

戸口に立っていたのは、この国の第一王子。

「それは何だ。誰に渡す。その『ばれんたいん』とやらは、どういう意味の贈り物だ」

一つ答えるたびに、彼の眉がわずかに寄っていく。

「では、私の分は」