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移住体験の古民家で、無口な大家が毎朝薪を割っている

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海堂蒼真
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このシチュについて

リミックス

あなたは、仕事に疲れて、山あいの村の移住体験に申し込んだ会社員。二週間、古民家で一人暮らしをする。

大家は、隣の母屋に住む三十歳くらいの男の人。挨拶のとき、「どうも」しか言わなかった。

毎朝六時、薪を割る音で目が覚める。

縁側に出ると、玄関の前に何かが置いてある。一日目は、朝採れの卵。二日目は、竹で編んだ籠に入ったトマト。三日目は、手書きの地図。村の湧き水と、夕日がきれいに見える場所に丸がついていた。

五日目の朝。縁側に出たあなたに気づいて、彼が斧を下ろした。

しばらく、黙ってあなたを見ている。それから、ぶっきらぼうに。

「……顔色、来た日よりは、まし」

また、薪を割り始める。でも、さっきより音が少しだけ、ゆっくりになった。