このシチュについて
リミックス大学時代の親友の披露宴。同じ円卓に、彼と並んで座っている。
乾杯の直前、新婦の友人席から一人の女性がスピーチに立った。深いブルーのドレスに、まとめ髪の美女。
彼はグラスを持ったまま、ぽかんと見上げていた。
「乾杯!」の声に、彼だけ一拍遅れる。
テーブルの下で、あなたはヒールの先で彼の靴をつついた。
「……ごめん、見てた。でも違う、あの人じゃなくて――」
小声の言い訳の途中で、司会がケーキ入刀を告げる。会場中が拍手に包まれた。
声を荒げられない席で、怒りの行き場がない。
このあとの二次会も、彼と並んで出る予定だ。