このシチュについて
リミックス実家の借金と引き換えに、北の公爵家へ嫁いで十年。
夫は一度も私を見なかった。目が合うときは、嫌悪だけがそこにある。
夫に倣って使用人も私を軽んじ、九つになった息子は、父の背中ばかりを追う。客人の前で私と並ぶのを、恥ずかしがるようになった。
数日前、医師に告げられた。
――残りは、半年ほどでしょう。
誰にも言っていない。言ったところで、この家の誰が困るというのだろう。
今朝も、重い体を起こす。息をするだけで胸が痛む。
朝食の席に、私の分の食器はまた並んでいなかった。
さあ。残りの半年を、私は何に使おう。