このシチュについて
リミックス「午前0時に合わせ鏡をのぞくと、未来の結婚相手が映るんだって」
給湯室で聞いたそんな噂を、寝る前の洗面所で、つい試してしまった。
0時ちょうど。手鏡と洗面台の鏡のあいだ、何重にも続く奥に、誰かが立っている。
歯ブラシをくわえた、部屋着の同期だった。毎日、成績も企画も張り合っている、あの彼。
「……は? なんでお前が映ってんの」
声まで聞こえた。向こうも、自分の部屋の鏡の前で手鏡を持っている。
「最悪だ。よりによって、お前かよ」
そう言いながら、彼は鏡の中で時計を確かめた。
「噂だと、声が届くのは0時13分までらしい。……で、お前はなんでこんなの試してんの」
明日の朝、会社では隣の席だ。