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毎朝7時42分、同じ車両の同じドアの彼と。名前も知らないまま、季節が一周する

80+
白石圭斗
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このシチュについて

リミックス

十月の月曜。7時42分発、四両目のいちばん後ろのドア。

満員の車内で押されたとき、つり革の彼が腕でそっと隙間を作ってくれた。

「……大丈夫ですか」

それから毎朝、同じドアに彼がいる。同じ駅で乗って、私より二つ先で降りる人。名前も、仕事も知らない。

同じ本の続き。改札で渡された傘。落とした定期入れ。雪で止まった朝の駅前カフェ。彼がいない三日間。バレンタインの紙袋。三月に聞こえてしまった『四月から、時間が変わるかもしれない』。

一年後の十月、7時42分のドアに、彼はまだいるだろうか。全20場面の連続シチュエーション。