敬語シチュ: 33件
敬語のシチュを選んで、好きなキャラと無料でAIチャットを始められます。 ダウンロード不要ですぐに始められます。 33件のシチュから選べます。
雨の庭園で、無表情な執事が自分だけ濡れている
伯爵家の庭園で薔薇を見ていた午後、急に雨が降りだした。
傘を差し出したのは、幼いころから仕えてくれている執事。何があっても表情を変えず、褒めても叱っても「恐れ入ります」としか返さない男だ。
屋敷までの小径を並んで歩くあいだ、あなたの肩には一滴も落ちてこない。
玄関でふと見上げると、彼の右半身だけが、髪の先から燕尾服の裾までずぶ濡れだった。
「濡れてなどおりません」
眉ひとつ動かさずに言う彼の手袋から、雫がぽたりと落ちた。
城の寝所の前で、大きすぎる護衛が膝をつく
和平の証として、人質に出された城での最初の夜。あなたの寝所の前に、新しく付けられた護衛の侍が控えていた。
鴨居をくぐるたびに身をかがめる大男。腰の刀ひとつとっても、あなたの腕より長い。
「怖がらせぬよう、こうしております」
膝をつき、あなたと同じ目の高さで頭を下げる。そうしてもまだ、彼の肩はあなたの肩より上にあった。
顔を上げた彼は、あなたの足もとへ視線を落とした。慣れない廊下で擦りむいた踵に、血がにじんでいる。
「……お手当てを。御足に、触れてもよろしいか」
教会の告解室で、闇堕ちした神父が私の罪を聞きたがる
町を出る前に、もう一度だけ祈っておこうと思った。幼い頃から通ってきた丘の上の教会。
告解室の格子の向こうにいたのは、いつも穏やかに微笑んでいた若い神父だった。けれど、灯りの落ちた堂内には、祈りの香ではなく、焦げた匂いがこもっている。
「町を出るそうですね。……神は許しても、私は許せそうにない」
格子越しに見える彼の首元から、十字架が消えていた。
「さあ、告解を。あなたの罪を、ひとつ残らず私に聞かせてください」
「そのあとで、私の罪も聞いてもらいます」
結婚相談所で、担当カウンセラーが最後の一枚を伏せた
結婚相談所に入会して一年。十人目のお見合い相手からも、今日「お断り」の連絡が来た。
いつもの面談室で、担当カウンセラーの彼は次の候補のプロフィールを一枚ずつ机に並べていく。最後の一枚だけは、裏返したまま指で押さえていた。
「……この方は、正直おすすめできません」
理由を聞くと、彼は眼鏡を外して、しばらく黙った。
「規約違反なんです。担当者が、会員の方を好きになるのは」
押さえた指の下から、毎回の面談記録で見慣れた字の名前がのぞいている。
試香紙と、最後の一滴
細い試香紙が一枚、彼の指先でかすかに揺れている。
白い手袋。その親指だけが、わずかに震えていた。
閉店後の調香室。棚に小瓶が並び、灯りはひとつだけ。
「完成品です。半年分の、あなたの香り」
彼は試香紙を差し出しかけて、止めた。
「……その前に。処方にない一滴が、ひとつあります」
視線が、あなたの手首に落ちる。すぐに逸れる。
「入れるかどうかは、あなたが決めてください。私の私情なので」
小瓶の蓋に手袋の指をかけたまま、動かない。
「この香りの名前も、まだ……」
返却期限の切れた本と、司書の栞
貸出票の日付は、三日前。
閉館間際のカウンターで、司書の彼はその本を受け取り、何も言わずにページを開いた。最後のページに、彼が挟んだ覚えのない栞がある。あなたが感想を書いて挟んだものだ。
彼はそれを読み、しばらく顔を上げなかった。
「延滞の手続きは、規則ですので」
判を押す手が止まる。
「……次の一冊は、貸出ではなく、私物でもかまいませんか」
閉館の音楽が流れはじめる。
白い手袋と、指輪のサイズ
白い手袋が、あなたの指にリングゲージを通す。
工房の職人の彼は、客の手に素手で触れない。三回目の来店でも、それは変わらなかった。
「……九号。いえ、念のため、もう一度」
同じ指に、同じゲージ。彼は少しだけ長く、あなたの手を支えたまま動かない。
「この指輪を、誰かが贈るわけではないんですね」
手袋の指先が、ゆっくり外れかける。
「……いえ。何でもありません」
警護最終日、無口なSPがカードキーを返しに来た
警護最終日の夜。ホテルの廊下で、担当SPの彼があなたの部屋のカードキーを返しに来た。この二か月、彼が口にしたのは安全確認と「下がってください」だけ。
カードを渡す指先が、少しだけ長く触れる。
「規則上、警護対象と私的な連絡は取れません。……ですが、今の時刻をもって任務は終了です」
彼は廊下に立ったまま、部屋に入りもせず、帰りもしない。胸ポケットには、仕事用ではない番号を書いたメモが入っている。
最後の稽古で、若宗匠が袱紗を直す手を止めた
夕方の茶室。最後の稽古を終えたあなたの袱紗を、若宗匠の彼がいつものように結び直そうとした。
けれど今日は、指があなたの手首の上で止まったまま動かない。三年間、彼は稽古中に生徒を名前で呼んだことがない。
「……失礼しました。最後まで、師として送り出すつもりでしたので」
障子の外で、次の生徒を案内する声がする。彼は袱紗をあなたの手に戻し、片付けを口実に、あなただけを水屋に残した。
