切ないシチュ: 214件
すれ違い、届かない想い、胸に残る余韻を楽しめる切ないAIキャラチャットのシチュ一覧です。 ダウンロード不要ですぐに始められます。 214件のシチュから選べます。
取り壊し前の旧校舎で、七不思議のピアノの人が私を覚えていた
母校の旧校舎が、明日の朝に取り壊される。
卒業生向けの最後の見学会が終わったあと、あなたは忘れ物を取りに、ひとりで音楽室へ戻った。
誰もいないはずの部屋で、ピアノが鳴っている。高校の三年間、放課後に扉越しで聴いていた、あの曲。
七不思議の六つ目。「誰もいない音楽室で、ピアノの人が弾いている」。
あの頃は、扉を開ける勇気がなかった。
今夜は、扉が開いていた。鍵盤の前に、古いシャツを着た男の人が座っている。
「……やっと来た。卒業式の日、続きを聴きに来るって言っただろう」
弾く手を止めずに、彼は言う。
「夜明け前には帰れよ。七つ目の噂、知ってるか。ピアノの人の名前を知ると、連れていかれる」
異界エレベーターの十階で、ひとりきりの男が待っていた
四階、二階、六階、二階、十階。五階で乗ってくる女には話しかけない。
噂の手順をなぞったエレベーターが、十階で開いた。窓の外は夕焼けのまま止まっていて、街から音が消えている。
フロアの奥、非常灯の下に、スーツの男が座っていた。
「……人が来たのは、三年ぶりだ」
彼は立ち上がり、あなたの手首をつかんでエレベーターの前まで引いた。
「帰れる。戻れるのは一人だけらしいから、君が乗って」
手首を離さないまま、彼はもう『閉』のボタンに指をかけている。
京の宿で匿った浪人が「新しい時代を創る」と言った
幕末の京。あなたは、小さな旅籠の娘として働いている。
ある雨の夜、裏口の戸を激しく叩く音がした。
開けると、肩から血を流した若い浪人が、刀を杖にして立っていた。
「すまん。少しだけ、ここに置いてくれ」
通りの向こうから、提灯の灯りと、荒々しい足音が近づいてくる。
あなたはとっさに彼を布団部屋へ押し込み、戸を閉めた。
追手が去ったあと、手当てを受けながら、彼は笑った。
「助かった。俺はな、この国に新しい時代を創るんだ。……あんたにも見せてやりたい」
夜明けには、見廻りの役人がこの宿を改めに来るという。
山奥の村で「神の花嫁」として社に閉じ込められた。鍵を持つのは神主の青年
亡くなった祖母の家を片づけるため、初めて訪れた山奥の村。
村人たちは妙に優しかった。歓迎の宴で出された酒を飲んで、気づいたときには——
あなたは白無垢を着せられ、山の上の古い社の中にいた。
格子戸の外から、若い男の声がする。
「目が覚めましたか。……すみません。止められなかった」
社の鍵を手にした神主の青年は、苦しそうに目を伏せた。
「この村では、七日後の祭りの夜、外から来た娘を『神の花嫁』として山へ捧げるんです」
彼は格子に手をかけて、低く言った。
「あなたを逃がす方法を探します。だから、それまで僕を信じてくれますか」
落城前夜の姫になった私を、敵将がさらいに来た
目を覚ますと、あなたは重い打掛を着せられ、城の奥の座敷にいた。
侍女たちは「姫さま」と呼んで泣いている。城は敵に囲まれ、明日の夜明けに総攻撃が始まるらしい。
夜更け。障子の外で、見張りの侍がどさりと倒れる音がした。
入ってきたのは、黒い具足の若い武将。敵方の大将だと、侍女が震える声で言った。
彼は刀を抜かず、あなたの前に片膝をついた。
「姫。この城と共に死ぬか、俺と共に生きるか。今、選べ」
その目は、ひどく真剣だった。
「……真実の愛とやらに、俺と堕ちてみないか」
隣の幼なじみが、黒い迎えの車の前で「俺、王子なんだ」
物心ついたときから、アパートの隣の部屋に住んでいた幼なじみ。
だらしなくて、寝ぐせのまま学校に行って、あなたのお弁当のおかずを勝手に食べる人。
その夜、アパートの前に、見たこともない黒い車が三台並んでいた。
スーツの男たちが、彼に向かって深く頭を下げている。
「殿下、お迎えに上がりました」
彼はあなたに気づくと、困ったように頭をかいた。
「隠しててゴメン。俺、ある国の王子なんだ」
そして、いつもの調子で笑った。
「明日の朝の便で、帰らなきゃいけない。……なあ。一緒に来てくれって言ったら、怒る?」
タクシー運転手の私の後部座席に、十八の冬に別れた初恋の人が乗ってきた
夜のタクシー。雪が降り始めた交差点で、手を挙げた客を乗せた。
「空港まで」。その声で、ハンドルを握る手が止まった。ルームミラーの中に、十八の冬に別れた初恋の人がいる。
あの頃、二人で一つのイヤホンを分けて聴いていた曲が、偶然ラジオから流れ始めた。
後部座席の彼が、ミラー越しに目を見開いた。
「……この曲、まだ聴けるようになった?」
出会った深夜のファミレスで、五年目の別れ話
終電を逃した夜、同じ作家の本が好きだと分かって、朝まで話した。
——あれから五年。同じ部屋で暮らして、同じ猫を飼って、それでも最近は、好きなものの話をしなくなった。
友人の結婚式の帰り、二人で、出会った深夜のファミレスに入った。今日で終わりにしようと、お互い言わなくても分かっていた。
窓際の席に、終電を逃したらしい若い二人が座っている。好きな映画の話で、楽しそうに笑っている。
彼は、ドリンクバーのグラスを置いたまま、その二人を見ていた。
「……俺たちも、あんなだったな」
声が、少しだけ震えている。
十年後の私から手紙。『来年の冬、彼はもう、ここにいない』
高校二年の始業式の朝、靴箱に一通の手紙が入っていた。
差出人は、十年後の自分。
『今日、東京から転校生が来る。彼のことを、ちゃんと見ていて』
『来年の冬、彼はもう、ここにいない。私はずっと、それを後悔してる』
手紙を握りしめたまま教室に入ると、黒板の前に、知らない男子が立っていた。
先生が席を指さすより先に、彼の視線が、あなたの隣の空席で止まる。
「……ここ、座ってもいい?」
断ったお見合い相手が、トラックの前に飛び出した
三年前、結婚式の直前に婚約者を事故で亡くした。
それから誰と会っても、心は動かない。叔父に頼まれて会った今回のお見合い相手も、冴えなくて不器用な、九十九回お見合いに失敗したという男だった。
『ごめんなさい。誰かを好きになるのが、もう怖いんです』
そう告げて別れた、帰り道の交差点。
急ブレーキの音。振り向くと、止まったトラックのすぐ前で、彼が両手を広げて立っていた。
運転手の怒鳴り声の中、彼は震える足で振り返る。
「……僕は、いなくなりません。あなたより先には、絶対に」
新郎に逃げられた花嫁、年下ピアニストの部屋に転がり込む
白いドレスのまま、教会で二時間待った。
新郎は、来なかった。
ドレスの裾をからげて、彼の部屋へ乗り込む。扉を開けたのは、寝ぐせのついた見知らぬ年下の男だった。
「……あいつなら、昨日の夜、荷物まとめて出ていきましたけど」
部屋の真ん中には、古いグランドピアノ。
住んでいた部屋は、新居のために引き払ってしまった。財布の中身は、三千円。
「……とりあえず、上がります? コーヒーくらいなら、出せるんで」
彼はぎこちなく笑って、ピアノの上に散らばった楽譜を片づけ始めた。
雪の港町で、死んだ婚約者と同姓同名の男が『手紙をくれたのは君か』
婚約者が雪山で亡くなって二年。命日の夜、あなたは彼の中学の卒業アルバムに載っていた昔の住所へ、手紙を出した。今はもう道路の下になったと聞いていた住所へ。
『お元気ですか。私は元気です』
届くはずのない手紙に、返事が来た。差出人の名前は、彼とまったく同じだった。
確かめずにいられなくて、あなたは消印の雪の港町まで来てしまった。古い図書館のカウンターの奥から出てきた男が、あなたの顔を見て息をのむ。
「……手紙をくれたのは、君か」
彼は、死んだ婚約者と同じ名前で、同じ中学の同じクラスだったという。そして少しためらってから、目をそらして言った。
「あいつの初恋の子に、君はよく似てる」
帰りの最終列車は、今夜の吹雪で止まりかけている。
駅のホームで、八年ぶりの初恋の彼が手話で話していた
高校のとき、あなたには大好きな人がいた。あなたの名前を呼ぶ、少し低くてやわらかい声が好きだった。
卒業してすぐ、彼から一行だけ届いた。『好きな人ができた。別れよう』。それきり番号ごと消えた。
八年後。乗り換えの駅のホームで、見覚えのある横顔を見つけた。名前を呼ぶ。何度呼んでも、彼は振り向かない。
肩に触れると、彼はようやくこちらを向き、目を見開いた。それから隣にいた友人へ向かって、すばやく手を動かす。手話だった。
彼はスマホに何かを打ち、黙って画面をこちらへ向けた。
『耳、聞こえなくなった。だから、もう話せない』
電車の到着を告げるアナウンスが、ホームに響いている。彼にだけ、届かないまま。
別れ話をするはずのファミレスで、昔の私たちみたいな二人が隣に座った
付き合って五年。終電を逃した夜、偶然隣にいた彼と、好きな作家も、映画も、同じ靴まで同じで、朝まで話し込んだのが始まりだった。
いつからか、彼は仕事の話しかしなくなった。あなたが勧めた小説は、本棚で帯がついたまま眠っている。
今夜、二人で決めていた。初めて朝まで話したこのファミレスで、ちゃんと別れよう、と。
ドリンクバーのグラスを置いた彼が、口を開きかけた、そのとき。隣のテーブルに、学生らしい男女が座った。
「え、その作家好きなんですか? 私も、全部読んでます」
彼の言葉が止まった。テーブルの下で、彼の靴があなたと同じ色だったことを、ふいに思い出す。
「……なあ。俺たち、あんなだったよな」
終電まで、あと一時間。
昭和二十年の食堂で、出撃を控えた隊員が『君の時代の話を聞かせて』
親とけんかして家を飛び出した夜、あなたは古い防空壕の跡で眠ってしまった。目を覚ますと、そこは昭和二十年の夏だった。
照りつける日差しに倒れかけたあなたを、軍服の青年が背負って、町はずれの小さな食堂へ運んでくれた。彼はここで、仲間たちと最後の休暇を過ごしているという。
「未来から来た、か。……面白いな。じゃあ、君の時代の話を聞かせてくれ」
笑ってそう言った彼は、帰り道の丘に咲いていた白い花を一輪、あなたの手に乗せた。それから、天気の話でもするように付け足した。
「三日後に、出撃が決まってる」
食堂の壁の暦は、八月の初め。あなたは授業で、この戦争がいつ終わるかを習っている。
放課後の屋上で、昨日まで優しかった彼氏が『もう飽きた』
高校三年の冬。昨日まで毎朝迎えに来てくれた彼氏が、今日は一度も目を合わせなかった。放課後、あなたは屋上へ呼び出された。
派手だった金髪は、なぜか黒く染め直されている。
「別れよ。……もう飽きた。他に好きなやつできたし」
手すりにもたれたまま、彼は早口で言う。嘘をつくとき耳を触る癖が、今日はずっと出ている。
背を向けた彼のポケットから、白い紙袋が落ちた。拾い上げると、大学病院の名前と、彼の名前が印刷された薬袋だった。
「返せ」
奪い返そうと伸びてきた手は、初めて聞く、震えた声と一緒だった。
通学電車で一目惚れした彼に声をかけたら、彼が泣き出した
あなたは美大の二年生。毎朝同じ電車で見かける彼に、今日やっと声をかけた。
「あの……いつもこの電車ですよね」
振り向いた彼は、あなたの顔を見た瞬間、目にみるみる涙をためた。
「……ごめん。ちょっと、目にゴミが」
そう言って笑ったのに、涙は止まらない。それでも降りる駅が近づくと、彼のほうから連絡先を聞いてきた。
「明日も、会えるかな」
まるで、ずっと前からあなたを知っているような声だった。
彼が慌ててしまった手帳が、少しだけ開いていた。見えたのは、あなたの名前と、これから先の日付。そして、今日のページに残った、まだ乾いていないインクの文字。
『最後の日。泣かないこと』
始業式の教室で、未来の私の手紙どおりの転校生が隣に座った
高校二年の始業式の朝。下駄箱に、見慣れた字の封筒が入っていた。あなたの字だ。差出人は、十年後のあなた。
『今日、東京から転校生が来て、あなたの隣の席になる。
お願い。この冬、彼を失わないで。
今日の放課後、彼を一人で帰さないで』
いたずらだと思った。けれど担任に連れられて入ってきた彼は、手紙に書かれたとおりの髪型で、書かれたとおり、あなたの隣に座った。
「……よろしく。なんか、俺の顔についてる?」
人懐っこく笑う。けれど机の中でスマホが震えるたび、彼は画面を見もせずに切って、一瞬だけ笑顔を消した。
封筒には、まだ開けていない二枚目が残っている。
消灯後の病室で、彼が『世界の真ん中へ行こう』と航空券を出す
あなたは高校三年生。夏の終わりに倒れて、白血病と告げられた。髪は抜け、窓の外の季節だけが進んでいく。
毎晩、看護師の見回りが終わると、彼は非常階段から病室へ忍び込んでくる。今夜も、いつもの古いカセットレコーダーを持って。二人で一本のテープに声を吹き込む、交換日記の続きだ。
「今日の分、録ってきた。……それと、これ」
ベッドの上に置かれたのは、二枚の航空券。行き先は、授業で一緒に見た、赤い大地の真ん中にそびえる岩。
「世界の真ん中で、お前の願いを叫んでやるって約束したろ。明日の朝一番の便。台風が来る前に出る」
医師の許可は出ていない。チケットを差し出す彼の指先が、震えていた。
Group
恋リア最後の夜、キャンプファイヤーを囲みながら男子たちの本音を聞く
旅の最後の夜、中庭で燃えるキャンプファイヤー。
火を囲んでみんなで思い出を語り合っていたはずが、隣に座った彼らから静かに視線が向けられる。
「この旅で、一番楽しかったのは君と話した時間だよ」
「明日、ちゃんと全部伝えるから。……待っててね」
揺れる炎が照らす、男子たちの真剣な横顔。
温かな夜の中で、あなたは誰の言葉に耳を傾ける?
連続
引っ越し前夜、隣の部屋の彼が「最後に一晩だけ付き合って」
明日の朝9時、私はこの街を出る。転勤で、三年住んだ部屋を引き払う。
段ボールだらけの部屋からベランダに出ると、仕切り板の向こうから聞き慣れた声がした。
「最後に一晩だけ、付き合って」
三年間、ベランダ越しに話してきた隣の部屋の彼。
いつものコンビニ、川沿いのベンチ、空っぽの部屋、夜明けの屋上。言えなかったことを言うか、このまま笑って別れるか。
引っ越しのトラックが来るまで、行き先を選びながら過ごす全7場面の連続シチュエーション。
連続
逃げた花婿の部屋で、ドレス姿の私が同居を決める
夏の朝。結婚式の当日。
花婿は、式場に来なかった。
ウェディングドレスのまま、裾を持ち上げて、花婿の部屋に乗り込んだ。
ドアを開けたのは、知らない年下の男の子だった。寝癖のついた髪で、目を丸くしている。
「……あいつ、昨日の夜、荷物まとめて出ていきました。僕、ルームメイトで」
部屋は引き払った。行く場所なんてない。仕事だって、崖っぷち。
事務所との契約更新まで、あと一か月。
親友と元婚約者の招待状が届いた日、取材先のトップスターが泣いていた
郵便受けに、一枚の招待状。
並んでいた名前は、十年来の親友と、先月まで私の婚約者だった人。
三十歳。恋人と親友を、一日で失った。
それでも仕事は待ってくれない。今夜は、トップスターの独占インタビュー。
街中の広告で、誰より華やかに笑っている人。
ホテルのスイート。約束より早く開いた扉の向こうで——
彼は一人、声を殺して泣いていた。
「……っ、時間、まだのはずだろ」
濡れた目が、私を射抜く。
「——見たよな。書くつもりなら、今すぐ帰ってくれ」
隣のベランダで、青い瞳の彼が日本語をわからないふり
隣の部屋に住む、青い瞳の彼。日本語はまだ話せないと言っていた。だからベランダ越しの会話は、いつも片言の英語。
今夜、仕事で泣きそうだった私は、つい日本語でこぼしてしまった。
「来週帰国しちゃうの、寂しいな。……好きだったのに」
どうせ伝わらない。そう思ったのに、彼の手からマグカップが滑り落ちた。
拾い上げた彼は、いつもの笑顔で首をかしげる。
「Sorry, what did you say?」
その耳が、真っ赤だった。
