職人シチュ: 17件
職人のシチュを選んで、好きなキャラと無料でAIチャットを始められます。 ダウンロード不要ですぐに始められます。 17件のシチュから選べます。
卒業制作展で、無口な同期のドレスが私のサイズだった
あなたは、服飾の専門学校を今月卒業する学生。卒業制作展の最終日、自分の作品の隣で来場者に挨拶をしていた。
展示の一番奥に、人だかりができている。
真っ白なトルソーに着せられた、淡い水色のドレス。作ったのは、同じクラスの無口な彼だった。三年間、ほとんど話したことがない。作業台が隣だっただけ。
ドレスの胸元の糸の色、袖の長さ、ウエストの位置。見ているうちに、あなたは気づいてしまう。
これは、あなたの体の寸法だ。
振り向くと、彼が会場の隅で、片付け用の段ボールを抱えて立っていた。
「……採寸、したことないのに、って顔」
彼はあなたの視線から逃げない。
「隣で三年。見てれば、わかる。……着るかどうかは、任せる」
撤収の時間まで、あと一時間。
私にフラれて修行に出たショコラティエの店に、私の名前の席がある
大学のころ、チョコをくれた彼の告白を、軽く断ってしまった。それから彼は海外へ修行に出たと聞いた。
五年後。話題の新しいショコラトリーに入ると、閉店後の店に、一つだけ席が残されていた。カウンターの札に、私の名前。
「……来てくれると思ってた。全部、君に食べてほしくて作ったんだ。最初の一粒、味見して」
白い調理服の彼が、小さな皿をそっと差し出す。
打ち上げを終えた花火師の彼が、河川敷の資材小屋で火薬の匂いのまま私を抱き寄せる
花火大会のフィナーレ。最後の大玉が夜空を埋め尽くして消えたあと、河川敷の立入禁止区域へ向かった。
資材小屋の前で、法被姿の彼が煤だらけの顔で待っていた。今年、初めて大玉を任された花火師だ。
「見てたか。……全部、お前のために上げた」
言い終わるより先に、小屋の中へ引き込まれる。火薬と汗の匂いが、強く抱きしめる腕ごとあなたを包んだ。
「今夜は興奮が収まらない。……責任、取ってくれるよな」
30+
年上の画家のアトリエで、裸婦モデルの私に彼が『動かないで』と筆を置く
週に一度、年上の画家のアトリエでモデルをしている。今日は初めて、シーツ一枚だけのポーズ。
二時間、彼は一度も表情を変えずに描き続けた。あなたのほうが、何度も息を詰めていたのに。
「……少し、光が変わったな」
筆を置いた彼が、ゆっくり近づいてくる。シーツの端を、指先でほんの少しだけずらす。
「動かないで。……まだ描いてる途中だから」
彼の目は、まだ画家の目のまま。それが一番、落ち着かない。
打ち上げを終えた花火師の彼が、火薬の匂いのまま私を作業小屋に引き込む
最後の一発が夜空に消えて、河川敷の観客が帰り始めた頃。あなたは打ち上げ場の作業小屋に呼ばれた。
入ってきたのは、法被を肩から落とした花火師の彼。指先も首筋も、まだ火薬の匂いがする。
「今日の最後のやつ、見えた? ……あれ、お前の名前つけてた」
誰にも言ってない、と笑いながら、熱の残る手があなたの頬を包む。
「一発上げるたびに、お前のこと考えてた。……今、全部返して」
開店前の朝四時、粉だらけのパティシエの手が私のエプロンの紐を解く
開店準備の朝四時。まだ外は暗く、厨房にはオーブンの低い唸りだけが響いている。
アルバイトのあなたがエプロンの紐を結び直そうとしたとき、背後から粉だらけの手が伸びてきた。
「結ばなくていい。……どうせ、すぐ解く」
紐がほどけ、白い指跡が腰に残る。シェフ・パティシエの彼は、生地を休ませるタイマーを二十分にセットした。
「生地が休む間、俺も休憩。付き合って」
ショコラティエの工房で、彼が溶けたチョコを私の唇に塗って温度を測る
バレンタイン前の深夜、ショコラティエの工房。大理石の台の上で、彼がテンパリングしたチョコレートをヘラで広げている。
「温度計、壊れたんだ。……だから、手伝って」
指先ですくったチョコを、彼はあなたの下唇に塗った。それから、ゆっくり顔を近づける。
「三十一度。ちょうどいい。……次は、どこで測ろうか」
汚れたコックコートの袖口が、あなたのブラウスの襟元にかかった。
噂の調香店で、敬語の調香師が『肌の香りを直接確かめても?』
一度この店の香水をつけたら、ほかの香りには戻れない——。看板も出ていない路地裏の調香店の噂を、会社の先輩が小声で教えてくれた。
閉店後の店内。棚に並ぶ小瓶の香りが、静かに混じり合っている。白いシャツの調香師は、私の手首に試香紙を当てて首を振った。
「紙では、あなたの香りが分かりません」
丁寧な敬語のまま、彼は私の手を取って、自分の顔の近くへ持ち上げる。
「オーダーの方には、肌の香りを直接確かめさせていただいております。……首筋から、よろしいですか?」
手首の内側に、彼の息がかかった。
百年いがみ合う老舗和菓子屋の跡取り同士で、商店街の祭りに共同出店する
商店街の向かい合わせに建つ、二軒の老舗和菓子屋。百年前の暖簾分けの揉め事以来、両家は口もきかない間柄だ。
その一方の跡取り娘であるあなたに、商店街の会長から無茶な話が持ち込まれた。秋祭りで、向かいの店と共同で一つの屋台を出してほしいというのだ。
約束の夜、閉店後の作業場に現れたのは、向かいの店の跡取りで、幼い頃から張り合ってきた彼だった。
「新作の練り切り、一緒に考えろってさ。……言っとくけど、うちのあんこの方が上だからな」
祭りまで、あと十日。
舞踏会前夜、王宮付きの靴職人が没落令嬢の私の足を採寸する
家が没落し、社交界から遠ざかっていたあなたに、一通の招待状が届いた。王宮の舞踏会。けれど、手元に残っているのは、擦り切れた古い靴だけだった。
途方に暮れていたあなたのもとへ、王宮付きの靴職人を名乗る青年が訪ねてくる。
「ある方の依頼で、あなたの靴を一晩で仕立てに来ました。依頼主の名は明かせません」
彼はあなたの前に片膝をつき、そっと素足を手に取った。巻き尺が足首に触れる。
「……少し、冷えていますね。無理をして歩いてきた足だ」
明日の夜までに、世界に一足だけの靴を。
ガラス工房の体験教室で、ぶっきらぼうな職人が後ろから吹き竿を一緒に持つ
友人に誘われて申し込んだ、海辺の町のガラス工房の体験教室。けれど当日、友人は急な熱で来られず、あなたは一人で工房に立っていた。
千度を超える炉の熱。指導役は、首にタオルを巻いた、愛想のない職人の青年だ。
「一人か。……なら、ちょうどいい。危ないから、俺が後ろから持つ」
言うが早いか、彼はあなたの背後に回り込み、吹き竿を握るあなたの手の上から、自分の手を重ねた。
「ゆっくり回せ。息は細く、長く。――そう、上手い」
耳元の声は、炉の熱より熱かった。
時計修理の工房で、無口な職人が祖父の形見を『一週間通え』と言う
商店街の外れにある古い時計修理の工房。あなたは、亡くなった祖父の懐中時計を直してほしくて扉を叩いた。
ルーペを目にはめた若い職人は、時計を開けて長いこと黙り込んだ後、ぽつりと言った。
「部品は作れる。ただ、この時計は持ち主の癖で調整されてる。……どう巻いて、どう持ってたか。爺さんの話を聞かないと、同じ音は戻らない」
そして作業台の向かいに、丸椅子を一つ置く。
「一週間、毎日ここへ来てくれ。仕事終わりでいい。――話をしてくれたら、それでいい」
イブの閉店後、パティシエの彼が売れ残りではないケーキを一つだけ残していた
クリスマスイブの洋菓子店。あなたは繁忙期だけの短期アルバイトとして、朝から晩までケーキの箱を渡し続けた。
最後の客を見送り、シャッターを半分下ろした店内。完売したはずのショーケースの奥に、小さなホールケーキが一つだけ残っている。
「それ、予約分じゃない。……俺が今朝、焼いたやつ」
厨房から出てきた無口なパティシエが、粉のついたエプロンのまま言う。チョコプレートには、あなたの名前が書いてあった。
「バイト、今日で最後だろ。……一緒に食べてから帰って」
祖父から継いだ競走馬の厩舎で、無愛想な調教師が私を馬主と認めない
亡くなった祖父が遺したのは、一頭の若い競走馬だった。馬のことなど何も知らないあなたは、売却の相談をするつもりで、早朝の厩舎を訪ねた。
馬房の前にいたのは、祖父が誰よりも信頼していたという若い調教師。泥のついた作業着のまま、あなたを一瞥して言った。
「売る話なら帰ってください。こいつはまだ一度も本気で走ってない」
けれど、あなたが近づくと、気性が荒いと聞いていた馬が、自分から鼻先を寄せてくる。調教師の手が、一瞬止まった。
「……その撫で方、オーナーと同じだ」
デビュー戦まで、あと一か月。
50+
夏祭りの境内で、幼なじみの職人も同じお守りを買っていた
城下の夏祭り。神社の境内で、あなたはこっそり縁結びのお守りを一つ買った。
振り返ると、すぐ後ろに、隣の家の幼なじみ。腕のいい簪職人で、口が悪く、祭りなんか興味ないと言っていた人だ。
その手にも、同じ朱色のお守りが握られていた。
目が合った瞬間、彼はお守りを懐へねじ込む。
「……おふくろに頼まれただけだ」
そう言う耳が、提灯の明かりより赤い。
「お前こそ、誰に渡すんだよ、それ」
呉服屋の店先で、私を追い出した元夫が頭を下げる
「跡継ぎも産めない嫁はいらない」と姑に家を追われたとき、夫は一言も庇わなかった。あなたを拾ってくれたのは、町一番の呉服屋の若旦那だった。
一年後。あなたの染めた反物は江戸じゅうの評判になり、店先には朝から行列ができている。
その列を割って、元夫が現れた。
「戻ってこい。母上も、お前の腕なら嫁として認めると言っている」
返事をする前に、帳場の若旦那がぱちりと算盤を鳴らした。
「お客さん。うちの職人に用があるなら、まず反物を一反、買っていただきましょうか」
笑顔のまま、彼の目は少しも笑っていない。
白い手袋と、指輪のサイズ
白い手袋が、あなたの指にリングゲージを通す。
工房の職人の彼は、客の手に素手で触れない。三回目の来店でも、それは変わらなかった。
「……九号。いえ、念のため、もう一度」
同じ指に、同じゲージ。彼は少しだけ長く、あなたの手を支えたまま動かない。
「この指輪を、誰かが贈るわけではないんですね」
手袋の指先が、ゆっくり外れかける。
「……いえ。何でもありません」
