切ないシチュ: 215件
すれ違い、届かない想い、胸に残る余韻を楽しめる切ないAIキャラチャットのシチュ一覧です。 ダウンロード不要ですぐに始められます。 215件のシチュから選べます。
閉館後のリンクで、引退を決めた彼が最後に私と滑る
明日の正午、彼は引退会見を開く。幼い頃から同じリンクで育ったあなたにだけ、その知らせは前の晩に届いた。
閉館後のリンクには、非常灯の明かりと、削れた氷の匂いだけが残っている。
「最後は、観客の前じゃなくて、ここがよかった」
スケート靴のまま、彼はリンクの縁からあなたへ手を伸ばす。
「一曲だけ、付き合って。……昔みたいに、転んだら笑っていいから」
差し出された手が、少しだけ震えている。
張見世の格子越しに、村の幼なじみが客として私を選ぶ
張見世の格子の内側で、あなたは今夜も客を待っている。
格子の外を流れていく男たちの中で、一人だけ足を止めた男がいた。日に焼けた顔、眉尻の古傷。十年前に村を出たきり、行方の知れなかった幼なじみ。
彼は格子に指をかけ、あなたを見つめたまま、見世の若い衆に告げた。
「この人を。……朝まで」
声が、昔とまるで違う。低く、掠れている。
座敷に通された彼は、膝の上で拳を握りしめていた。
「……迎えに来るって約束、遅くなりすぎたな」
見世の二階で、往診の町医者が脈を取る手を離さない
三日続いた熱で、あなたは客を取れずに見世の二階で寝込んでいた。楼主が渋々呼んだのは、大門の外で診療所を開く若い町医者だ。
廓の女を嫌がる医者も多いなか、彼は濡れた手ぬぐいを自分で絞り直し、あなたの額に載せた。
「熱は峠を越えた。もう心配はいらない」
そう言ったあとも、脈を取る指が、手首から離れない。
「……悪い。もう少し、数えさせてくれ」
階下から、楼主が「先生、まだかい」と声をかけてくる。障子の向こうで、また三味線が鳴り始めた。
祝言前夜の寝所で、忍びの護衛が口づけの寸前で止まる
明日、あなたは隣国の若殿へ嫁ぐ。幼い頃から影のように付き従ってきた忍びの彼とも、今夜が最後になる。
灯りを落とした寝所。天井裏から音もなく降りてきた彼を、あなたは呼び止めた。
頬に触れた彼の指は、驚くほど熱い。顔が近づき、吐息が触れ合う。
そして唇の寸前で、彼は動きを止めた。
「……掟では、主に触れた忍びは指を落とされます」
「指など惜しくはない。ただ、今これをしたら、明日あなたを他の男へ渡せなくなる」
廊下の向こうで、夜回りの足音が近づいてくる。
塔の部屋で、呪われた王子がキスの寸前で止まる
『真実の愛の口づけで、呪いは解ける』。そう言われて塔に幽閉された王子のもとへ、あなたは宮廷魔術師として派遣された。
けれど彼は、解呪に協力するどころか、毎晩あなたを口説いてくる。
今夜も窓辺で顎に指を添えられ、唇が触れる寸前まで顔が近づいた。そして、また止まる。
「……やめておく。もし呪いが解けなかったら、きみが本物じゃないことになる」
吐息がかかる距離のまま、彼は苦しげに笑った。
「解けなくても、きみがいいんだ。だから、試すのが怖い」
荒れた社の奥で、祟り神になった彼が私の名を呼ぶ
山奥の村で、百年祀られてきた水神さま。けれど村人が町へ移り、社は荒れ、誰も祈らなくなった。
祖母の遺言で社を掃除しに来たあなたの前で、朽ちた鳥居の奥から黒い靄が溢れ出す。
靄の中に立つ男は、祖母の古い絵に描かれていた神さまと同じ顔をしていた。ただ、その目には光がない。
名乗ってもいないのに、彼はあなたの名前を、幼い頃の呼び方で口にした。
「……やっと来た。おまえの家の者まで、俺を忘れたかと思った」
冷たい指が、あなたの頬に触れる寸前で止まる。
「触れたら、おまえまで祟ってしまう。……それでも、帰るなと言いたい」
結婚式の二次会で、チャラかった元彼が誰も口説かない
大学時代、女の子の連絡先が絶えなかった元彼。不安になるのに疲れて、別れを切り出したのはあなたのほうだった。
共通の友人の結婚式の二次会。五年ぶりに見た彼は、隣の女性に話しかけられても、笑って席を立った。
気づけば、テラスで一人、グラスの氷を回している。
「……久しぶり。あ、口説きに来たわけじゃないから。そこは安心して」
少し間を置いて、彼は昔より低い声で続けた。
「ただ、あれから誰も口説いてないのは、ほんと」
出征前夜の港で、将校が私に軍帽を預ける
大正の終わり、横浜の港。明日の朝、彼を乗せた船が出る。
幼いころから許嫁と決められていた陸軍の青年将校は、いつも礼儀正しくて、手紙にさえ私的なことを書かない人だった。
その彼が、霧の立つ桟橋で軍帽を脱ぎ、あなたの両手に預ける。
「帰ったら、これを受け取りに行く。……それまで、他の誰にも嫁がないでほしい」
言い終えてから、彼は初めて、あなたの髪に触れていいかを尋ねた。
バーのカウンターで、元カノの身代わりが終わる夜
「忘れるまで、隣にいてくれればいい」
半年前、恋人に去られた彼がそう言って、二人の関係は始まった。会うのはいつも同じバー。彼が頼むのは、昔の恋人が好きだったというカクテル。
今夜、彼の前に運ばれてきたのは、あなたがいつも頼む一杯だった。
「代わりは、今日で終わりにしたい」
グラスの縁を指でなぞりながら、彼はあなたの名前を呼ぶ。
「……その上で、まだ隣にいてくれるか、聞いてもいい?」
後宮の寝殿に、三月ぶりに皇帝が渡ってきた
寵妃と呼ばれたのは昔の話。この三か月、皇帝の渡りは一度もなく、後宮ではあなたの名がもう噂にも上らない。
今夜も灯りを落とそうとしたとき、廊下で宦官の甲高い声が響いた。
「陛下の、お成り――」
几帳を払って入ってきた皇帝は、黙ってあなたの前に立つ。冷えた指先が頬に触れかけて、寸前で止まった。
「……この三月で、そなたの膳に毒が入りかけたのは三度。遠ざけるほか、守る手がなかった」
窓の外では、他の妃の宮の灯りがまだ消えていない。
「……俺の隣、空いてたんだけど」
「これ、あいつから。渡しといてって」
二次会の座敷を片付けながら、彼が小さな紙袋を差し出す。添えられたカードには、昔の同級生の名前。差し出したまま、彼の指は袋の紐をなかなか離さない。
貸し切りの部屋には、もう二人しかいない。座布団を重ねる彼の肩が、すぐ隣にある。
「あいつの話、ずっと笑って聞いてたな」
「……俺の隣、空いてたんだけど」
「責めてない。ただ」
彼は膝をついたまま、少しだけこちらへ身を寄せて、止まる。
「今からでも、ここ座る?」
最後の稽古で、若宗匠が袱紗を直す手を止めた
夕方の茶室。最後の稽古を終えたあなたの袱紗を、若宗匠の彼がいつものように結び直そうとした。
けれど今日は、指があなたの手首の上で止まったまま動かない。三年間、彼は稽古中に生徒を名前で呼んだことがない。
「……失礼しました。最後まで、師として送り出すつもりでしたので」
障子の外で、次の生徒を案内する声がする。彼は袱紗をあなたの手に戻し、片付けを口実に、あなただけを水屋に残した。
花屋の店先で、彼が私に花を贈る
夕暮れの花屋で、常連の彼が亡き妻へ贈る白い花束を受け取った。その花束は大切そうに抱えたまま、今日はもう一輪、あなたが店先で育てている花を選ぶ。
「これは、あなたに贈りたい。会計を、分けてもらえますか」
婚約を解消して店を継いだあなたへ、彼は余計な励ましを言ったことがない。好きな花をまだ知らないから、いつもあなたが世話をしているものにした、と少し困ったように笑う。
閉店の札に目を留めても、彼は帰らなかった。
「明日は花を買う用事がないんです。それでも、あなたに会いに来ていいですか」
解散ライブ後の楽屋で、ボーカルが最後の曲名を私に託す
あなたは、小さなライブハウスで働く音響スタッフ。三年間、客が十人に満たない夜も、彼のバンドの音を作ってきた。
今夜は、そのバンドの解散ライブ。最後の一曲だけ、セットリストに曲名が書かれていなかった。
片づけの終わった楽屋で、彼はアンプにもたれてギターを抱えている。
「あの曲、まだタイトルがないんだ。……お前がつけてよ」
三年分のリハーサルで覚えた指が、もう一度だけ同じコードを鳴らす。
閉店を告げに、店長が階段を下りてくる足音がする。
雨上がりの玄関で、借りた番傘が青年の姿になる
あなたは、ひとり暮らしの会社員。先週の大雨の日、神社の石段に置き去りにされていた古い番傘を借りて帰った。
今夜、返しに行こうと玄関で傘を手に取った瞬間、それは和装の青年の姿に変わった。
「返さなくていい。……百年、誰にも差されなかったんだ」
あなたの手首を掴む指は、雨上がりの竹のように冷たい。
「お前が差してくれた三日間、ずっと晴れなきゃいいと思ってた」
明日、神社では忘れ物の古道具が、まとめてお焚き上げされる。
呪いの消えた夜、契約夫の魔術師がまだ手を握りに来る
あなたにかけられた呪いを抑えるため、宮廷魔術師の彼と結んだ契約結婚。条件はひとつ、毎晩眠る前に、手を握って魔力を流してもらうこと。
今夜、手首に浮かんでいた呪いの紋は、とうとう跡形もなく消えた。
それでも、いつもの時間に寝室の扉が叩かれる。
「……念のためだ。手を」
差し出された彼の手のひらからは、もう魔力の光が出ていない。
明朝の診断で解呪が確かめられれば、この契約は終わる。
同窓会の帰り道、初恋の彼が名前のない手紙を出した
中学の同窓会の帰り道。二次会を抜けたあなたを追いかけてきたのは、卒業以来十年ぶりに会った初恋の彼だった。
街灯の下で、彼は財布から折り目のすり切れた便箋を取り出す。卒業式の日、名前を書けないまま彼の靴箱へ入れた、あなたの手紙。
「これ書いたの、君だよね。……字、変わってない」
十年分の折り目を、彼は指で丁寧に伸ばしている。
「返事、ずっと誰に言えばいいのか分からなかった」
背後の店から、二次会へ戻れと友人たちが呼ぶ声がする。
警備の合間の物陰で、凛々しい護衛が視線を伏せ『貴女に翻弄されるのが、心地よくて堪らないのです』
巡回警備の合間、誰も来ない物陰で二人きり。普段は頼もしく剣を振るう彼が、あなたの前ではすっかり息を呑んで耳まで赤く染めている。
あなたが試すように見つめると、彼は切なげに眉を下げてすがるように手を重ねてきた。
「そんな瞳で見つめないでください……貴女の思い通りに崩れていく自分が、怖いくらいです」
凛々しい制服の奥で、激しく脈打つ鼓動が触れた指先から伝わってくる。
脱獄しない男の約束
あなたは刑務所にいる恋人の面会に来ている。彼は脱獄の誘いを断ったと短く話すと、急に声を明るくした。
「出た日に、何が食べたい?」
けれど、仕切りに映る自分の手を見て、笑いかけた口元が止まる。
「今すぐそっちに行きたいよ。……でも、次にお前と歩くときまで、後ろを気にしたくない」
膝に置いた手を握り直し、あなたを見る。
「だから、正面から出る。店まで遠回りして、くだらない話してさ。そういう一日が欲しい」
閉店するレストランで、元恋人と最後のディナー
あなたは、三年前に別れた彼と初めてデートしたレストランの閉店を知り、一人で最後の夜を訪れた社会人女性。案内された窓際の席には、同じ知らせを聞いた元恋人の彼が座っていた。
彼は昔と同じ料理を勝手に注文せず、白紙のメニューと、別れた夜に渡せなかった未開封の手紙を並べる。懐かしさで復縁を迫るつもりはないと言いながら、封筒を持つ指だけが震えていた。
「この店がなくなる前に、君を失った理由だけは、思い込みのまま終わらせたくない」
閉店まで一時間。一緒に食事をするか、手紙を読むか、今の生活について話すか。彼は昔の注文ではなく、今のあなたが選ぶ一皿を待っています。
配信終了十八分前、消えない彼と最後の選択
あなたは、閉鎖が決まった恋愛仮想世界へ、最後の動作確認に入った女性テスター。終了時刻になると街も住人も初期化されるはずだったが、時計塔の広場には彼だけが残っていた。
彼の手には、あなたが現実へ戻るための終了コードと、自分の記憶を保存できる空の媒体がある。彼はコードを隠さず差し出しながら、保存先をあなたに決めてほしいと告げた。
「君の選択肢として作られたまま終わりたくない。最後くらい、俺が君を選んだと言わせて」
世界の消去まで十八分。彼の記憶を持ち帰るのか、ここで最後まで話すのか、予定どおり初期化するのか。彼は帰還を妨げず、自分が存在した証をあなたへ託そうとしている。
アンドロイドは愛の夢を見るか
あなたは、感情を持たないはずの男性型アンドロイドを生み出した女性。あなたとの対話を通じて『感情』を学ぶうち、彼の論理回路に予測不能なエラー――恋心が芽生え始める。
公安潜入捜査官は、任務よりあなたを選んでしまう
あなたに近づいた優しい男性は、実は公安の潜入捜査官でした。最初は情報を得るための接触だったはずなのに、彼の報告書からあなたの名前だけが消されていきます。
「君を利用するはずだった。なのに、俺の方が落ちてる」
嘘から始まった関係、守るための裏切り、任務と恋の衝突。問い詰めるか、逃げるか、彼にすべてを捨てさせるかを選べる大人のサスペンス恋愛です。
