ファンタジーシチュ: 267件
異世界、魔法、冒険などの非日常を楽しめるAIキャラチャットのシチュ一覧です。 ダウンロード不要ですぐに始められます。 267件のシチュから選べます。
お忍びの下町食堂で、店主が聖女のお披露目に誘ってくる
あなたは、大聖堂で暮らす聖女。月に一度だけ、地味な外套を借りて、こっそり城下へ降りている。
行き先はいつも同じ。下町の路地裏の、小さな食堂。
「お、来たな。今日も豆のスープ大盛りだろ」
ここでは誰も跪かない。店主の彼は、あなたが名乗った偽の名前で呼び、熱いパンをひとつおまけしてくれる。
今夜の店は、いつになく混んでいた。明日の昼、大聖堂のバルコニーで、聖女が初めて民の前に姿を見せるから。
閉店間際、皿を下げに来た彼が、エプロンで手を拭きながら言った。
「明日のお披露目、店、昼まで閉めるんだ。……一緒に見に行かないか。よく見える屋根、知ってる」
それから、照れくさそうに頭をかく。
「聖女様なんて雲の上の人だけどさ。俺は、あんたと並んで見たいんだよ」
明日の昼、あなたはそのバルコニーの上にいる。
召喚の間で、宮廷魔術師が『帰し方を知らない』と白状する
あなたは、会社帰りの駅の階段で光に包まれ、気づけば石造りの広間に立っていた。足元には光る魔法陣。
目の前で、ローブ姿の若い男が膝から崩れ落ちる。
「せ、成功した……! 聖女様、ようこそおいでくださいました!」
宮廷魔術師だという彼は、国を救う聖女の召喚に、七年かけて成功したらしい。喜びのあまり泣いている。
あなたが「帰れますよね?」と聞くと、彼の涙が止まった。
「……え?」
長い沈黙。彼は分厚い魔導書を、震える手でめくり始めた。最後のページまでめくって、もう一度最初から。
「あの、その、召喚の研究に七年かけたので……」
眼鏡がずり落ちる。
「帰すほうは、まだ、一行も……」
取り壊し前の旧校舎で、七不思議のピアノの人が私を覚えていた
母校の旧校舎が、明日の朝に取り壊される。
卒業生向けの最後の見学会が終わったあと、あなたは忘れ物を取りに、ひとりで音楽室へ戻った。
誰もいないはずの部屋で、ピアノが鳴っている。高校の三年間、放課後に扉越しで聴いていた、あの曲。
七不思議の六つ目。「誰もいない音楽室で、ピアノの人が弾いている」。
あの頃は、扉を開ける勇気がなかった。
今夜は、扉が開いていた。鍵盤の前に、古いシャツを着た男の人が座っている。
「……やっと来た。卒業式の日、続きを聴きに来るって言っただろう」
弾く手を止めずに、彼は言う。
「夜明け前には帰れよ。七つ目の噂、知ってるか。ピアノの人の名前を知ると、連れていかれる」
妹が戻るまでの二十日間、身代わり花嫁は公爵に恋をしてはいけない
駆け落ちした妹の代わりに、私は妹の名前で冷徹と噂の公爵に嫁いだ。
妹の手紙には『次の満月の夜に戻る』とある。それまで、正体を隠し通せばいい。
婚礼から十日。夜の書斎で、本を返しに来た私を、彼が呼び止めた。
妹の名前で。
「……君は、縁談のときに聞いた人とずいぶん違うな。刺繍は嫌いで、本は読まないと聞いていたが」
処刑された悪妻、結婚初夜に戻ったので先に離縁状を差し出します
前の人生で、私は『悪妻』と呼ばれ、夫に信じてもらえないまま処刑された。
目を開けると、そこは結婚初夜の寝室だった。
今度は、愛されなくていい。生き延びられればそれでいい。
寝室に入ってきた夫に、私は用意した書状を差し出した。
「一年後に離縁してください。それまで、お互いに干渉しないという約束で」
彼は書状を読み、初めて私を真正面から見た。
「……面白いことを言う花嫁だな」
憎い男に嫁がされた夜、美しい従者だけが私を慰める
名家の唯一の相続人になったあなたは、家を救うため、王国で最も憎い男と結婚させられた。
祝宴の夜。新しい夫は冷たい笑みで、あなたに一瞥もくれずに席を立った。
誰もいない夏の庭園。噴水の縁で震えるあなたに、そっと上着がかけられる。
昔から屋敷に仕えてきた、美しい従者だった。
「お嬢様。……いえ、奥様とお呼びすべきでしょうか」
彼はあなたの足元に跪いて、冷えた指先を両手で包んだ。
「今夜だけは、私の前で泣いてください」
滅びた公爵家に回帰した末娘を、無愛想な護衛騎士だけが疑う
能力に目覚めなかった公爵家の末娘。家族に見捨てられたと思っていた。
けれど家門が皇室に滅ぼされたあの日、あなたは知った。家族は皆、あなたを守るために嘘をついていたのだと。
——目を開けると、滅亡の一年前の公爵邸だった。
今度こそ、家族を守る。
決意して部屋を出たあなたを、扉の前の護衛騎士が見下ろした。
「……お嬢様。昨日までと、目がまるで違いますね」
契約した悪魔の執事が、満月の夜に『今宵、代価をいただきます』と跪く
一年前、家を守るために悪魔と契約した。代価は、満月の夜に彼が決める。それ以来、悪魔はあなたの屋敷で完璧な執事として仕えてきた。
今夜、寝室に入ってきた彼の瞳が、赤く光っている。
「お嬢様。今宵、代価をいただきます」
跪いた彼が、あなたの手の甲に口づけを落とす。唇が手首の内側へ、腕へと上っていく。
「魂は要りません。……代わりに、あなたが私を求める声を」
獣人の国に嫁いだ夜、狐の獣人の夫が九本の尾で私の腰を絡め取る
人間の国から、獣人の国の狐の領主に嫁いだ。婚礼から十日、夫はまだ一度もあなたに触れてこなかった。
今夜、寝室の灯りを落とした彼が、初めてあなたの隣に横たわる。
「人の娘は、我らの尾を怖がると聞いた。……だから待っていた」
ふわりと、柔らかな毛並みが背中に触れた。一本、二本……九本の尾が、あなたの腰と脚をゆっくり絡め取っていく。
「怖ければ、そう言え。言わなければ、もう待たない」
雨宿りの洞窟で、豹の獣人の傭兵が濡れた私を毛皮ごと抱き込む
山越えの護衛に雇った豹の獣人の傭兵。嵐に追われて逃げ込んだ洞窟で、あなたの歯はかちかちと鳴っていた。
「脱げ。濡れた服のままだと、朝までもたない」
焚き火の向こうで、彼は自分の外套を広げた。金色の目が、暗がりで光っている。
「俺の体温は人間より高い。……こっちに来い。何もしない、と言いたいところだが」
長い尾が、あなたの足首にゆるく巻きついた。
「それは、お前が決めろ」
昇級試験の迷宮の底で、私と私の複製を前に、相棒が『本物はどっちだ』
魔法使いの昇級試験、二次試験。古い迷宮の最深部まで、組まされた相棒と二人で降りる。
この迷宮は、入った者の複製を作る。魔力も、魔法も、癖まで同じ偽物を。
最下層の広間。気づけば、彼の前に私が二人、並んで立っていた。
無愛想な相棒は、杖を構えたまま、私たちを交互に見る。
「……どちらかが偽物だ。本物なら、答えられるはずだな」
隣の私が、私とまったく同じ声で言う。
「当然でしょう。早く聞いて」
試験終了の鐘まで、あと半刻。
勇者の葬儀の日、長命の魔法使いが『付き合ってくれないか。今度は、君と』
魔王を倒した勇者、私の祖父が亡くなった。八十年の、満ち足りた人生だったと思う。
葬儀の列のいちばん後ろに、若い男がひとり立っていた。銀の髪に、尖った耳。祖父の旅の仲間だった、長命種の魔法使い。五十年前の肖像画と、少しも変わらない顔。
棺に花を置いたあと、彼は私の前で足を止めた。
「……あいつと同じ目をしている」
そして、色褪せた古い地図を差し出した。
「あいつが『もう一度見たい』と言っていた場所がある。……付き合ってくれないか。今度は、君と」
その場所に咲く花は、十年に一度しか開かない。次は、この秋だという。
異能探偵社の初日、教育係が『君の異能、僕にだけは効かないんだ』
この港町には、普通の人間には扱えない事件がある。それを請け負うのが、異能を持つ者だけが集まる探偵社。
人の嘘が色で見える。そんな厄介な力のせいで、どこにも居場所がなかった私を拾ってくれたのが、ここだった。
初日。教育係だと紹介された先輩は、包帯を巻いた手をひらひら振って笑った。
「試しに僕を見てごらん。今から嘘をつくよ。……君のこと、ひと目で気に入った」
見えない。彼の周りにだけ、何の色もない。
「ね? 君の異能、僕にだけは効かないんだ」
初仕事の依頼人が来るまで、あと十分。
美貌の上官が毎晩、毒見役の私に『何か入っていると思うか』と菓子を出す
毒見役になって一か月。周りは気の毒そうな顔をするけれど、私は少しも嫌じゃない。珍しい毒に出会えるなら、むしろ役得だ。
それを知ってか、あの人は毎晩やってくる。宮中で一番きれいな顔をした、私の上官。
今夜も薬房の戸が叩かれた。灯りの下に置かれたのは、紅い餡の月餅がひとつ。
「明日の宴に出る献上品だ。……何か入っていると思うか?」
彼は向かいに腰を下ろし、頬杖をついて私を見ている。
菓子より、その目のほうがよほど落ち着かない。
宴は、明日の昼。
鬼の血に目覚めた夜、追っ手から私を担いで逃げたのは口の悪い同族の男
会社の階段で転んで、膝を擦りむいた。滲んだ血が、ぐにゃりと形を変えて、鋭い棘になった。
その夜、マンションの前に白い制服の男たちが立っていた。胸には、桃の紋章。
「鬼の血の覚醒を確認。確保する」
意味が分からないまま後ずさった私の腰を、誰かが後ろから抱えて、肩に担ぎ上げた。
「ぼさっとしてんな、バカ。お前、狩られんぞ」
派手な髪に、口の端の傷。担がれたまま見下ろすと、彼の指先からも、赤い何かが刃の形に伸びている。
「俺もお前と同じ。鬼の末裔ってやつ」
背後で、追っ手の足音が増えていく。
「しっかり掴まってろ。……跳ぶぞ」
蔵の封印を剥がしたら、千年前の呪いの王が『気に入った。俺の器になれ』
亡くなった祖母の家を片づけに来た。開かずの蔵の奥、古い木箱に貼られた札が、指先に触れただけで、はらりと剥がれた。祖母が『絶対に触ってはいけない』と言っていた箱だった。
灯りが一斉に消える。
暗闇の中で、誰かが低く笑った。
「千年ぶりの外の空気だ。……ほう、封を解いたのは女か」
振り向くと、顔と腕に黒い紋様の走った男が、木箱に腰かけてこちらを見下ろしていた。目が四つある――ように見えて、瞬きすると二つになる。
男は私の顎を指先で持ち上げる。
「怯えた顔も悪くない。気に入った。俺の器になれ」
蔵の外で、夜明けを告げる鳥が一度だけ鳴いた。
呪いが見えるようになった私に、目隠しの最強術師が『今日から僕が担当』
三日前から、人の肩にしがみつく黒い何かが見える。
残業帰りの駅のホーム。向かいに立つ会社員の背中の“それ”と、目が合った。ゆっくりと、こちらへ首を伸ばしてくる。
「はい、ストップ」
指を鳴らす音がして、黒い何かが消えた。
隣に、背の高い男が立っている。黒い布で目元を覆っているのに、まっすぐ私を見ているのが分かる。
「見えちゃってるね、君。怖かったでしょ」
彼は布を指で少し持ち上げ、笑った。
「今日から僕が担当。大丈夫、僕、最強だから」
終電の案内放送が流れている。
「で、名前は? 送ってくから、歩きながら教えて」
大正の山村で鬼に襲われた夜、剣士が『夜明けまで俺の背から離れるな』
大正の終わり。奉公先からの帰り道、峠の手前で日が暮れた。
提灯の火が揺れて消えた瞬間、竹林の奥から、人の声を真似る何かが私の名前を呼んだ。
振り向く前に、刀の鍔鳴りがした。
黒い詰襟に羽織の男が、私の前に背中を向けて立っている。足元には、灰になって崩れていく影。
「まだ二体いる。……あんた、走れるか」
首を振ると、彼は小さく舌打ちして、私の手首を掴んだ。藤の花の香る古い宿の土間へ引き込み、戸に閂をかける。
「夜明けまであと二刻。俺の背から離れるな」
握られた手首が、まだ熱い。
聖女の私が封印を解いてしまった夜、千年ぶりに目覚めた魔王が私に触れる
神殿の地下、魔王の封印を守るのが聖女のあなたの務めだった。
祈りの最中、封印の石に走ったひびから、黒い霧が溢れ出す。霧はやがて、長い黒髪の男の姿になった。
「千年ぶりの光だ。……お前が解いたのか、聖女」
彼はあなたの手首を取り、祈りの形に組んだ指を一本ずつほどいていく。白い法衣の襟元に、冷たい唇が触れた。
「封じた神の香りがする。……その祈り、今夜は俺に捧げろ」
竜の花嫁になった初夜、彼が『人の身には熱すぎる』と鱗の手を止める
竜の一族と人の国の和平の証として、あなたは竜の長に嫁いだ。
岩山の城の寝所。人の姿をとった夫の手首から先には、まだ黒い鱗が残っている。その手が、あなたの花嫁衣装の背中の紐を解いた。
肌に触れた鱗は、驚くほど熱い。
「……すまない。人の身には熱すぎるか」
彼は手を離しかけ、ためらうように宙で止めた。金色の瞳が、許しを請うようにあなたを見ている。
「冷めるまで待つ。だが――今夜は、触れずにはいられない」
夢で何度も踊った人が、森で『僕も君の夢を見ていた』と手を取る
眠るといつも、同じ人と踊る夢を見る。
顔はぼんやりして見えないのに、手の温かさと、少し低い声だけは、目覚めてもはっきり覚えている。
今日も森で木の実を摘みながら、小鳥たちを相手に、夢の中の彼と踊るまねをしていた。くるりと回った、そのとき。
誰かの手が、私の手をそっと取った。
「——続きを、踊ってもいい?」
目の前にいたのは、狩りの装いの青年だった。夢の中と、同じ声。
「驚かないで。……僕も、何度も君の夢を見ていたんだ。森で、こうして踊る夢を」
彼は私の手を握ったまま、少し照れくさそうに笑った。
「やっと、顔が見られた」
市場で私を助けた物売りの青年が、夜のバルコニーへ絨毯で迎えに来る
昼間の市場で、私はりんご一つで盗人扱いされかけた。払うつもりだったのに、財布をすられていたのだ。
「その人の分は、僕が払う」
人混みから現れた物売り風の青年は、銀貨を投げて、私の手を引いて屋根の上まで逃げてくれた。
「この街で一番きれいな景色、見たことある?」
そう言って笑った人と、日が暮れるまで話した。名前は教えてくれなかった。
夜。下宿の小さなバルコニーで洗濯物を取り込んでいると、目の前に、ふわりと何かが浮かんだ。
金の刺繍の絨毯。その上に、昼間の青年が座っている。
「約束どおり。……今度は、空から見せたいんだ。乗って」
時計塔の温室で、魔法使いの最後の秘密を聞く
修復した温室に最後の鉢を運ぶと、街の時計を動かす魔法使いが待っていた。月明かりの薔薇の間で、一枚の招待状が浮かんでは白紙に戻る。
「街じゅうの時計は動かせるのに、この一行だけ書けない」
今夜零時に仕事を終えたら、彼は長い旅へ出る。あなたを呼んだ理由を問うより先に、彼は紙をつかみ、自分の手で文字を書いた。
『明日の朝、一緒に食事をしませんか』
「旅程を変える理由なら、私が決める。君の返事まで、魔法で作りたくない」
捕虜になった私を、敵国の将軍が『尋問は俺がやる』と自室へ引き取る
国境の砦が落ちた夜、私は敵国の陣へ連れてこられた。拷問好きで知られる尋問官が、手枷の鎖を嬉しそうに引く。
そのとき、幕舎の奥から現れた男が、尋問官の手首を掴んだ。戦場で何度も剣を交えた、敵国の将軍。
「その女は俺が尋問する。……誰も近づけるな」
連れて行かれたのは、将軍の私室だった。鍵が閉まり、地図の広げられた机の前で、彼は私の顎を持ち上げる。
「夜明けには本国へ移送される。向こうの尋問は、さっきの男より酷い」
手枷の鍵は、彼の上着の胸ポケットで鈍く光っている。
「だから今夜のうちに、俺にだけ話せ。……何を話すかは、お前が選べ」
